Music Diary
[ 2008.10.24 ]
アマンダ・ブレッカーがギンザ・ジャズに初来日
銀座をあげて行われるジャズ・フェス、第4回「ギンザ・インターナショナル・ジャズ・フェスティバル2008」が、今年も11月1日と2日に開催されます。
これは全銀座会とGILC(国際ブランド委員会)が、秋のイベントの一環として行っている催しで、各ブランドの発祥国であるフランスやイタリア、アメリカなどのジャズ・ミュージシャンが、銀座をあげてコンサートを開くのです。そこに日本勢も加わって、若手を中心にプログラムを組んでいる点、そして来日の機会が少ないヨーロッパ勢を紹介してくれるので、初回から評価してきました。
今年の目玉は、アマンダ・ブレッカーでしょう。
アマンダは、ブラジル出身のシンガー&ピアニストであるイリアーヌを母に、トランぺッターのランディ・ブレッカーを父にもつ、サラブレッド。シンガー・ソングライタートして、デビューしたばかりです。
友人のお子さんでも、幼い頃から知っていると格段に可愛く思えるもの。それはそのお子さんが長じても変わらず、こちらのオババカぶりに磨きがかかるだけなのが通常。だから、アマンダ・ブレッカーのデビュー作『ヒア・アイ・アム』が先頃リリースされたとき、「まぁ、大きくなったのね」と、わたしの目尻が下がったのも不思議はないのです。
アマンダが小さな頃、離婚したイリアーヌのもと、NY郊外のハンプトンズで育てられていたアマンダと遊んだ覚えもあるものですから。
そのアマンダ・ブレッカーも、今やお年頃。別々に住むようになってからも、目元がランディに激似のアマンダを、父親は目のなかに入れても痛くないくらい可愛がっていました。音楽するには申し分のない環境を与えられ、アマンダはすくすく育ったのです。様々な楽器を触るようですが、いつの頃からか、イリアーヌが「娘はどうもシンガー志望らしいのよ」と、うれしそうに話すようになりました。
そして今回のデビュー作では、両親の旧友でもあり、バーズレコードの専属アレンジャーでもあるデビッド・マシューズがプロデュースに当たったのです。
このデビューに関して、本人はもちろん、家族全員が双手をあげて喜んだにちがいありません。プロデューサーのマシューズは、アマンダの伸びやかな歌声、澄んだ響きが、彼女の楽器だと見て取ったのでしょう。無理にジャズ・スタンダードなどを歌わせることなく、良質のポップス・アルバムを制作することで、アマンダの特質をいかしています。
このデビュー作でリマーカブルな要素がいくつかあるのですが、その最たるものが、アマンダの作曲力です。12曲中5曲を、自分の曲でうめています。
このアルバムはジャンルでいえば、ポップス。そして、それがアマンダのやりたい音楽なのです。だから、彼女が書く曲もまたしかり。アマンダは今の時代に育った女性らしい、朗らかさと繊細さを歌詞ににおわせ、恋を(中心に)歌っています。
カヴァーもあって、オープニングの〈サンライズ〉はノラ・ジョーンズの有名曲。ジョン・メイヤーのヒット曲に、ボニー・レイットのナンバーでは、ブルース・フィーリングを漂わせます。
元気がいい〈アップ!〉は、シャナイア・トゥエイン2002年の大ヒット・ナンバー。8ビートで軽快に飛ばします。
さて、リマーカブルな第2点は両親の参加ですが、〈ノヴォ・ルガール〉には両親そろって参加。ランディもイリアーヌも、もう1曲ずつ参加しています。
今はまだ素直に歌っているという印象をでませんが、アマンダ・ブレッカーが、これからどんなシンガー・ソングライターに成長していくのか、今から楽しみになるデビュー作です。
「親の七光り」を超えて、輝けいてね、アマンダ!
さて、第4回「ギンザ・インターナショナル・ジャズ・フェスティバル2008」に話を戻すと、他にも今年はイタリアのトランぺッター、ファブリッツィオ・ボッソのラテン・プロジェクトに注目したいですね。サックス奏者がアルゼンチン出身なので、本格派ハイブリッドの、新たな試みに期待が集まります。
パリジ・ミュゼット・トリオは、アコーディオンを主役に、パリの下町に息づいてきた音楽を披露してくれます。日本ではまったく無名ですが、パリの香りを濃密に届けてくること確実です。
シャネルのネクサス・ホールなど、音響にもこだわりをみせるブランド店のホールや、店舗でも公演が行われますから、いつもとひと味違った銀座のジャズを楽しみに、足を運んでみてはいかがでしょうか。
銀ブラ(死語の世界?)も、ジャズが加わると、一層スタイリッシュな気分をもりあげてくれるはずですから。

アマンダ・ブレッカー
『ヒア・アイ・アム』
BIRDS RECORDS
XQDJ-1007
2008年7月23日発売
※ 権利者の許可を得ずに、複製することを禁じます。
アマンダ・ブレッカーが急病のため、都内でのギグをキャンセルしましたが、ギンザ・ジャズには間に合うよう来日するそうです。大丈夫なのでしょうか?
元気な姿を、見せてほしいですね。
昨年の「ギンザ・インターナショナル・ジャズ・フェスティバル」の模様








