Music Diary

[ 2010.01.21 ]

ノラ・ジョーンズの変貌

1月20日、赤坂Blitzでノラ・ジョーンズのLiveがありました。
も〜しわけない。招待者だけのLiveだったので、告知はしませんでした。

でも、後になってSFCの卒業生から、レコード会社であるEMIがストリーミングもしていたことを聞き、そういった情報を伝えたかったなと後悔。
また、Gyaoでストリーミングするという情報があるので、ファンの方はCheck it!
     ◆       ◆       ◆
音楽が変化していたように、ノラも変わっていた今回。
彼女が制服のように着ていたジーンズを脱いで、ミニスカだったことにびっくり。
それも、カワダサというか、紫色のワンピに黒の(透けている)カーデ。
それに、黒のストッキングという出で立ちだったんです。
はい、タイツじゃなく、黒のストッキングを久しぶりに見ましたね。

で、ギターを弾いて歌う。ハイヒールで。

髪を切って、やせてもいました。

でも、やはり音楽が変わっていたことが、最も気になりました。
ダークになっていたのです。
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ノラ・ジョーンズの第4作「ザ・フォール」は、きっと彼女の第2期の始まりを告げる作品なのでしょう。

今までの3作は、アメリカでしか生まれ得ないカントリーの粒子をもったノラの歌声と、彼女のナイーブな心情とに支えられてきましたが、今作から作風がはっきりと変わったのです。

情緒的にいえば、歌に一滴の毒が加わりました。

データから攻めると、まずトム・ウェイツなどのプロデューサー/エンジニアである、ジャクワイア・キングの存在が大きいですね。ノラ自身が依頼したといいます。ジャクワイアのプロデュースとあれば、音楽に陰影が加わり、歌に奥行きが生まれた説明がつきます。

第2に、ミュージシャンの顔ぶれが替わったこと。総取り替えです。

第3に、今作でノラはギターで作曲することが多く、レコーディング時にもギターを演奏することの方が多かった。そのため、ギターの重なりが面白いサウンドを生み、サウンド構築スキルが以前とまったく異なっています。

14曲すべてが彼女自身の作、あるいは共作ですが、これは前作からの流れです。

ノラも、今作での変貌について次のように語りました。
「今までずっと同じミュージシャンたちと演奏してきたので、ちょっと居心地のいい場所を抜けだそうかと思ったの。
今回は、新しい人たちと新たなサウンドに挑戦するにはいい機会だったの。以前よりグルーブを出したかった」。

確実に大人になったノラがニュー・アルバム『フォール』と、目の前にいました。
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音楽評論の世界では、ノラ前/ノラ後という言い方をよくするのです。
彼女が「ブルーノート」という老舗ジャズ・レーベルからデビューしてから、シンガー・ソングライターの歌も、ジャズの範疇で語られるようになったからです。偶然、ノラはジャズ・ヴォーカルの改革者になったのです。

でも、目の前にいる彼女と新バンドは、カントリーの色合いを濃くしていました。
そして、彼女自身は自然体のかわいいノラのままなのですが、
歌はダークになっています。

ノラは、今までも、現代の、それもアメリカ(&先進国)に生きる若者の痛みを歌ってきました。彼女は時代の映しなのです。
だから、今の人気があるわけです。

その彼女の歌がダークさを増しているということは、世の中もその闇を濃くしているということでしょう。
それが、わたしには、ちょっと面白くないのですね。イヤなのです。

ステージングの狙いは、テキサスのホンキートンク(安酒場)かな?
すべてが「カワダサ」。
メンバーの髪が皆短く、キーボード奏者は少しリーゼントぎみ。
女性メンバーは赤いドレスがかわいいけれど、男性のほとんどがタイをしている。

ま、Liveだと、ノラの声の魅力が圧倒的なので、それがすべてをまとめてしまうから、違和感もなく、変化もまた楽しと思えてくるのですが。
でも、変貌したことには違いありません。

ノラ・ジョーンズ。
やはりただ者ではありませんね。すごい声の持ち主なのです。
「時代を映す声」。
そのことを再認識した、今回のショーケースと新作でした。 

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ノラ・ジョーンズJ写.JPGノラ・ジョーンズの新作『ザ・フォール』(EMI)


single.jpg最も明るく重層的なナンバーが、1st シングルの〈チェイシング・パイレーツ〉

DSC01982.JPG今回のショーケースのインヴィテーション・カード