Music Diary
[ 2008.12.05 ]
パット・メセニー・グループがブルーノート東京で年越し
パット・メセニーが年末から松の内にかけて、ブルーノート東京に出演します。それも、今回は「パット・メセニー・グループ」としての来日なので、そうとう興奮しています。
なぜって、世界のどの都市の大ホールをも満員にする彼らをジャズ・クラブで観られるなんて、ちょっと考えられないことだから。
30余年前の結成時からの朋友、ライル・メイズ(p)に、最近はコ・プロデュースも努めてパットのもうひとつの眼としての機能しているスティーヴ・ロドビー(b)。そして21世紀に入ってからの加入ながら、パットの信頼を一身に集めるアントニオ・サンチェス(ds)という4人での公演。
インスト・グループにしてはめずらしく、ヒット曲が多い彼らのことだから、〈ブライト・サイズ・ライフ〉〈ラスト・トレイン・ホーム〉と、お約束のヒット・ナンバーも演奏されることでしょう。メチャメチャ楽しみですね〜
ですが、ここはひとつ、深いところでパットの心情を読んでみようじゃありませんか。
「最低2時間ないとメセニー・グループの表現は無理だ」と語り、ジャズ・フェスに出演するのも、音楽的にイヤだと言っていたパットが、どうして今回ブルーノート出演を引き受けたのかを、です。
メセニー・グループの直近作は2005年に発表された『ザ・ウェイ・アップ』です。ノンサッチ・レーベルへの移籍第1弾としても話題を呼びましたが、何といっても圧巻だったのは、1枚のCDに1曲しかはいっていなかったことでした。
約70分の大曲は、彼らの今までの音楽をすべて統括したシンフォニックな内容で、壮大なサウンドと作風、かつ美しいディテールから成り立っていました。当時パットが言いました。
「このアルバムは一種のプロテスト・ミュージックなんだ。何に対してのプロテストか。今世界はより狭く、小さくなり、細部を気にする余裕もなく大ざっぱに物事を処理する方向に向かっている。
その現状に対してもっと長い目をもとう、もっとディテールを、もっと統括的な音楽を、という提案をしたかったんだ。
10年前は、本来8分ある曲を、4分に縮めなくてはいけないというプレッシャーに悩まされていたけれど、今はその時代が懐かしいほどだ。
現時点では、ケータイの着信音に代表される、たった2小節が音楽のゴールになっている。それでいいのか! ぼくたちは、もっと長い形でぼくたちの音楽的アイデアをサウンド化したいと考えた」
ケータイ着信音に対抗したこの音楽は、川の流れのように様々な風景を映しながら、聴き手を乗せてウェイ・アップへと進みます。
パットはグループの面々と、当初無理だと予想されたそのライヴ化を試み、それをも成功させました。
それ以降も、パット自身はブラッド・メルドーとの共演作、超絶テクのトリオ作と多くのアルバムを発表してきましたが、メセニー・グループに関しては音沙汰がありませんでした。
いくらパットでも、あの高いレベルでの達成を遂げた後は、やるべきことが簡単にみつかるはずがありませんから。
でも、ライヴならどうでしょうか。彼らは80年代には、1年に300ステージをこなし、その人気をあげていったバンドです。元来ライヴで売っていたバンドなんです。
だから、ブルーノート東京からの話にも快諾したのではないかしら。
パットはライヴをするときは欠かさず録音しています。記録のために、自身の勉強のためにです。
でも、今回は確信犯なのではないかと思うのです。
そう、ライヴ・アルバムなら1枚1曲の作品の次作にふさわしい。
パットの音楽は、アメリカの中西部の風景を想起させる。その上で緻密な構造をもった曲と、彼のセンシティヴな内面が表出したバラードにわかれますが、どちらも「ミル・プラトー(千の高原)」のようにエクスタシーの後にエクスタシーが綿々と続く、ほかにはない構造をもっています。
その快感に浸りに、できれば2部通しで観たいものです。
いずれにしろ、メセニー・グループで年を終え、新年を迎えられるなんて、これほど縁起が良いことはありません。
いい年に、なりそうだわ〜
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PHOTO : MICHAEL WILSON
写真提供:ワーナーミュージック・ジャパン
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LIVE information
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BLUENOTE TOKYO
2008/12/30 - 1/8
(1/1-1/2 OFF)
19:00 & 21:30
※12/31はShowtimes:21:00 & 23:00
12/31 セカンド・ショウは恒例のカウント・ダウンを行います。
※1/4は
1st Show : Open 15:00 Start 16:00
2nd Show : Open 18:00 Start 19:00







