Music Diary
[ 2009.04.28 ]
Terri Lyne Carrington(ds & sound maker)
表現者にとって、言いたいことがあることほど、強いものはありません。才能より、言いたいことがある方が、重要です。
個性溢れるドラマー、テリ・リン・キャリントンには、それがあります。彼女の3作目のリーダー作になる、待望の新作のタイトルは『モア・トゥ・セイ』でした。
テリ自身が、タイトルと今作のコンセプトについて、次のように語りました。
「わたしが初リーダー作を発表したのは、1989年だったけれど、『Real Life Story』( Polygram)というタイトルで、グラミー賞にノミネートされました。今作も、そのアルバム同様、『わたしの真実の人生にはもっと語ることがある』ということが、コンセプトなんです。
20年経った今、ちがった形で言いたい、言えると思ったわけで。そこで、第1作のタイトルを引き継いで、『モア・トゥ・セイ』と名付けました。
今、言いたいことを音楽にすると、ジャズだけではない、R&Bやヒップ・ホップの要素もふくまれた。わたしの世代は、ヒップ・ホップの影響を受けた第一世代だから、そのインフルエンスをレコーディングすることも、わたしにとっては大事だから」
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テリが続けて言いました。実は彼女のスカイプを使って長電話をしたのですが、このときテリはインドでツアー中でした。インドとの国際電話は、誰もしたくありませんが、スカイプのおかげでスムースにインタヴューが進行しました。
「わたしは、ここ数年で大きく変わったと、自分でも思う。その第一の要因は、息子をもったことだよね。ええ、今作で曲にもしたけれど(M7)、ドリアンという息子を3年前に授かった。めっちゃ可愛いい。今、ツアー中だけれど、離れているのは、正直言ってつらい。
それに住まいも、ロサンゼルスからボストンに戻った。母校であるバークレー音楽大学が、教授として迎えてくれたのでね。わたしは、マサチューセッツ州メッドフォード生まれだから、ボストンは故郷のようなもの。両親の家にも近く、行き来もできる。こういった家庭的にも安定した状況が、音楽への意欲を強めたんだと思う。
だから、今作の内容も、わたしの全貌を見てほしい、といったものにすることができたわけ。参加してくれたミュージシャンも、これまでの20余年のキャリアで仲良くしていただいた方ばかり。とはいえ、友人だから依頼したのではなく、構想を固めている2年間に、この曲はこの人、この曲でのサックスは誰と、イメージが固まっていった。大御所では、レス・マッキャン(今作ではvo)に、ナンシー・ウィルソン(vo)。わたし自身も何曲か歌っているけれど、本物のシンガーを必要としたM11〈イマジン・ディス〉で、ナンシーに歌ってもらった。いい歌、歌うよね。
ほかにも、ジョージ・デューク(kyd)、カーク・ウェイラム(ts)にエヴェレット・ハープ(as)。キーボードだけでも、パトリース・ラッシェンに、グレッグ・フィリンゲインズ。ベースは、ジミー・ハスリップに、クリスチャン・マクブライド。ギターは、アンソニー・ウィルソンにチャック・ローブと、適材適所で参加してもらいました」
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テリ・リン・キャリントンにつけられる形容詞は、今までずっと「女性ドラマーNo.1」というものでした。でも、もう、その「女性」をとってもいい時期なのでしょう。
そう思う反面、今作のようなヴァラエティに富んだ作風は、女性ならではのしなやかさから生まれたものだとも感じるわたしです。
彼女自身も、自分につきまとう、「女性ドラマー」という形容との煩悶を乗りこえて、オープンに今作で自分自身の物語を話そうとしたにちがいありません。
テリも、こう語りました。
「まず、わたしがドラマーになろうと思ったのは、環境も大きく作用していると思う。父親がサックス奏者で、家にキャノンボール・アダレイや、今作にも参加してくれたナンシー・ウィルソンが遊びにきていた。父との関係を、M10〈パパさん〉で語りました。いつも音楽が溢れ、ジャムが日常茶飯事だった家庭。そこでわたしは、文字通りハウス・ドラマーとして成長したんです。
この曲のために、父ソニーを引っ張りだし、テナーを吹いてもらいました。楽しかった。どうしても父との共演を残したかったから。わたし自身は、祖父の生まれ変わりだと信じているんだ。祖父はわたしが生まれる前に他界しているけれど、ドラマーだったのね。
『女性ドラマーの第一人者』と呼ばれるのは、イヤではない。うれしいですよ。'80年代には、ジェンダーへの偏見を壊すために演奏してるっていう面もあったけれど、もうそこからは卒業しました。
更に、今は、ドラマーとしてより、サウンド・メイカーというか、全体のサウンドや作曲に心を傾けています。クインシー・ジョーンズのように、といったら傲慢でしょうか。今作でも、そういった面が打ち出されていると思います。
人間として、母として、教育者として、ミュージシャンとして、わたしはたいへん恵まれていますし、これからも努力を重ねていきたいと思っています」
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特待生としてバークリー音楽大学を卒業後、ユニークなサイド・ミュージシャンとして活躍を始めたテリは、'80年代後半にはウエイン・ショーターのグループに起用され、その壮大さをもつドラミングでシーンを驚嘆させました。
そして、'90年代になると、彼女はハービー・ハンコックのエレクトリック・グループに参加し、その名を確固たるものにしたのです。ファンク色の強い同バンドは、彼女の特質を活かし、わたしたち聴衆はパワフルに輝くテリを観ることになりました。
今回の電話インタヴューは、先ほども触れたように、テリがインドから電話をくれたのですが、ハービー・ハンコック(p)、ジョージ・デューク(kyd)、チャカ・カーン(vo)、ジェームス・ジーナス(b)にテリという、重量級バンドでのツアーのさなかだったのです。
近年では、他にもカサンドラ・ウィルソンのアルバムとツアーに参加し、カサンドラに「テリのドラミングは、パワフルだけれど、とても女性らしいと感じるの。あの包容力は、女性ならではのものだと思うのよね」と言わしめています。
2008年暮れには、エスペランサ(b)を擁した、テリがリーダーのグループでブルーノート東京に来日し、パワフルかつセンシュアルなステージを繰り広げ、好評をよびました。
そろそろ時代がテリに追いついてきたのです。そんな印象をもっていた矢先の『モア・トゥ・セイ』のリリースだったのです。
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もうちょっと、骨太な作りだったら、なおのことよかった、と伝えると、彼女も我が意を得たりと、大笑いしましたが、「次作でね!」と約束してくれたのでした。
期待していますよ。
テリに、将来の目標を聞くと、迷わずこう言いました。
「音楽で人と人を結ぶことが、第一の目標です。音楽は人生の一部であり、芸術は人生の反映だと思います。
仕事、教育、子育てに邁進して、そういった日常の生活のなかで自分自身も育っていきたいですね。
それと、テクノロジーの進化が、世界の人をコネクトする(つなぐ)ことに寄与していますよね。そのつながりが、今後も強まるといいなと願っています」
テリの音楽が、そのつながりの一端を担うことを、わたしは信じて疑わないのです。
Terri Lyne Carrington's new album "More to Say" (video arts)
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TERRI LYNE CARRINGTON GROUP is goig to perform @ Blue Note Tokyo
テリリン・キャリントン・グループ来日決定!
@ブルーノート東京
DATE :2009 6/13sat.-6/16tue.
7:00p.m. & 9:30p.m.
※6/14sun.は
1st Show : Open3:00p.m. Start4:00p.m.
2nd Show : Open6:00p.m. Start7:00p.m.
Terri Lyne Carrington (ds)
テリリン・キャリントン(ドラムス)
Everette Harp(sax)
エヴェレット・ハープ(サックス)
Greg Phillinganes(key)
グレッグ・フィリンゲンズ(キーボード)
Chris Walker(b)
クリス・ウォーカー(ベース)
Lori Perry(vo)
ロリ・ペリー(ヴォーカル)
他メンバー未定
Her band and the music was just great!
@backstage of Blue Note Tokyo (from L)Atsuko Yashima,producer of TOKYO JAZZ,yo,Terri & Mr and Ms Bessyo







