Music Diary

[ 2009.08.01 ]

ラーシュ・ヤンソン・トリオ

北欧のジャズは涼やかな印象があるので、音楽のクール・ビズ(ライフ)かしら。
北欧ジャズ代表格、ラーシュ・ヤンソンの新作『イン・サーチ・オブ・ロスト・タイム』がいいので、今日はそのことについて。

ベテラン、ラーシュ・ヤンソンにとってもこの新作は、ピアノ・トリオの作品としては、実に5年ぶりのアルバム。
前作『ワーシップ・オブ・セルフ』が室内楽と共演した意欲作だっただけに、期待して傾聴しましたが、今作もまた素晴らしい。
全曲オリジナル曲で、高いクオリティをもったアルバムに接すると、うれしくなってしまいます。

全曲聴き通したくなる魅力と、音楽性。それは、ラーシュの清明な音色をたずさえたピアノ力と、音楽にこめられた豊潤なストーリー/哲学があってのこと。

冒頭曲〈ゼア・イズ・ア・バタフライ・イン・マイ・ルーム〉から、通奏低音に明るさをもった演奏が続きます。そこに込められたエモーションは一色ではなく、多様な色彩をもっていますが、それを語るように綴っていく手法は水彩画といった趣で、そのタッチがこのトリオの特徴でもあります。

タイトルは、マルセル・プルーストの大作「失われた時を求めて」からとられたそうですが、ここにある音楽は人生回顧というよりは人生讃歌。

スウェーデンの盛夏は、特別な季節だと作曲したという〈ミッドサマー〉、
〈ワン・ハンド・クラッピング〉は、ラーシュいわく「12音技法を用いた曲。片手で叩く手拍子とは、有名な禅の公案なのです」。

来る9月には、正式メンバーになったクリスチャン・スペリング(b)をまじえたトリオでの初来日公演が東名阪で決まっています。

きっと、残暑厳しい頃。
残暑に涼やかなラーシュ・ヤンソン・トリオなんて、心地いいでしょうね。

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Lars Jansson Trio.jpgラーシュ・ヤンソン・トリオ(from L)アンダーシュ・シュリベリ(ds)、ラーシュ・ヤンソン(p)、クリスチャン・スペリング(b)

SOLSV-0011Lars Jansson trioジャケ.jpg『In Search of Lost Time』(スパイス オブ ライフSOL SV-0011)

・9月8日 大阪:Live Osaka KOO'ON
・9月9日 名古屋:Blue Note Nagoya
・9月10日 東京:スイートベイジル STB139
・9月11日 横浜:Dolphy
・9月12日 吉祥寺:Sometime