Music Diary

[ 2010.06.09 ]

向谷倶楽部Ustreem公開レコーディング!

6月8日と9日、「向谷倶楽部Ustreem公開レコーディング」が行われました。
様々な意味でレボリューショナルなこのレコーディングに、興奮しているわたしです。

カシオペアのキーボード奏者、作曲家としてほぼ30年前から存じ上げている向谷実さんと、最近twitterを通じて交流が再開しました。
そして知った「向谷実×中西圭三プロジェクト」。

向谷さんがUstreamで、自身の楽曲をよく配信されている。それを見たシンガーの中西圭三さんがついって(ツイッター上で連絡して)いらした。
それが、このプロジェクトの始まりでした。

2人は4月25日、5月5日の2日間、向谷さんのスタジオで2曲の楽曲を制作しました。
そして、その様子は全てUstream配信されたのです(後述)。
2人は、ツイッターのタイムライン(TL)上のフォロワーをプロデューサーと呼び、その意見を取り入れながら制作したのです。

ここまでで、充分新しいのですが、それでは終わりません!

歌詞もUstreamを通して、一般公募し、
結果、2人のIT系の仕事に携わる「新たな作詞家」を生んだのです。

その一人、こばやしちさとさんは、SFCの小川先生とも親交があり、聞くところによると歌人でもあるのだそうです。して、今、作詞家デビュー!
さぞ、感慨深かったことと思います。

さぁ、お次ぎは本番、レコーディングです。

この頃から、わたしはご近所でもある向谷さんの事務所「音楽館」に遊びに行くようになり、ミュージシャンに直接電話する向谷さんを見かけました。

向谷さんがいう主旨は、次のようなもので、参加したミュージシャンもそれに賛同した方ばかりなのです。
「今回プロジェクトは、レコード会社も、音楽出版社も、プロダクションもJASRAC も一切関係ないという、産地直送型音楽配信システムです。

やはりひとつの事実を作って、それを元に次の新しい音楽に於ける隣接権や著作権のスキームをみんなで考えようというつもりでやるので、それは別に何かを否定したり、敵対したり、というつもりはありません。

いろんな形で、みんなが楽しめる音楽環境を作る為に、一緒に活動して、一緒に歩んで頂けませんか」
この主旨に賛同する方が多く、レコーディング・メンバーが次々に決まっていきました。

またその過程もついったので、多くの向谷さんのフォロワーが【 #mmclub】 というハッシュタグ(#)のもと結集し、応援にも熱がこもり始めました。

★参加ミュージシャンをご紹介しましょう。

Vo:中西圭三  Key:向谷実
Dr:神保彰      Ba:鳴瀬喜博
Gt:斉藤英夫   Sax:宮崎隆陸

Cho:坂本美雨    Other:DJ TARO、サッシャ

鈴木睦美ストリングス(9日)
Vln.1:鈴木睦美、外村京子、上保朋子、矢部紀美子、兵頭亜由子、嶋村由美子
Vln.2:山中裕平、上村希子、納富彩歌、浅井眞理 
Vla.:榎戸崇浩、高須昌緒 Vc.:小原茂、高橋美保

Ap:井上麗

そして、レコーディングの過程をUstreamですべて見せるという、前代未聞の展開に話が進んでいきました。
すると、BSフジが協力に名乗りを上げ、他にも多くの方が無償で手を貸し、多くの善意のシンクロニシティが起こって、このレコーディング自体がひとつの社会現象になっていったのです。

ちょっと見て、また止めて、という時々見物の方をふくめると、20万人の人が見たといいます。何かアンビリーバブルな数字なので、再度チェックしますね。

「これは、Ustreamを通し楽曲制作を可視化することにより、
著作権・アーティストの権利・インターネット音楽配信の在り方を、考えるプロジェクトなわけです」
と向谷さんはいいます。

と同時に、
「音楽って楽しいよね。レコーディングに参加したい?いいよ〜」
という、『スーパー生善説』を信じる向谷さんの開かれた考えが生んだ、「夢のプロジェクト」なのです。
   ◆     ◆     ◆
向谷倶楽部に書いてあるUstreamの説明が秀逸なので、ここに借用します。

【Ustreamとは、インターネットを利用した動画共有サービス。
カメラとマイク、そしてネットにつながっているパソコンがあれば、誰でも自由に「生」で動画配信が可能。

また、Social Streamとして、TwitterのAPIを採用することにより、チャット部分がTwitterにも同時に投稿され、Ustream中継の内容が告知、広報される。
しかし「誰でも自由」であるがゆえ、楽曲等の配信の著作権処理が不明瞭であるのも事実】

ということで、6月8日の15時頃からレコーディングがスタートしました。
   ◆     ◆     ◆
わたしがみなとみらい、ランドマークタワー内のスタジオに到着したのは18:00頃で、ちょうどタイミングよくお弁当タイム!
ミュージシャンの皆さんに挨拶できましたし、お弁当を食べるところまで映される状況を初めて肌で理解しました。

いや、すばらしいレコーディングでした。

だって、いわゆる一発撮り。それも、カメラや通常では考えられない多くの人が見ている前で、集中し、いいパフォーマンスをしなければならない。
実力と、おおらかな心がないとできない「離れ業」です。

でも、その夜はそれができる「腕利き」だけが集結していたのです。
向谷さんは、副調室のキーボード前が定位置で、そこから指令を出し、演奏をし、ギャグをいう。

中西さんは、甘くてパワフルな声で、歌う、歌う。
神保さんは、叩く叩く。
なるっちょさんは、弾きまくる。

皆がこのレコーディングを楽しんでいる。
それが音にも現れている、録音になったのです。

向谷さんの手元に置かれたiPadにタイムラインが表示され、彼が
「2000人を超えました!」とアナウンスしたとき、スタジオから拍手が沸き起こりました。

そう、ここには2000人の人たちのキモチも飛んできているのでした。
ソーシャルメディアといういい方をしますが、その幕開けに参加しているという実感がわたしにもありました。なんて、楽しいコミュニケーションでしょうか。

レコーディングは元来エクスクルーシヴなもので、こういった開かれた環境で行われたことはありません。
しかも、それだけでなく、多くの人が自主的に参加しており、ここでは様々なアスペクトが開かれていました。

感じるワンネス。
なぜか、ここにいる人は、TL上の2000人をふくめて、ひとつになっている。
仲間なのであって、誰が上でも下でもない。
もっといえば、誰がプロという区分けもなく、多くの人がもてる才能をもちより、発揮している。

「向谷倶楽部」だからできる面もあるでしょう。
でも、ソーシャルメディアを使えば他の人にもできる可能性は高いのです。
ようは、やるか、やらないか。
楽しめるか、どうか。

Twilight Stream と21st Love Express。
すてきな歌が2曲できあがり、
次の日にはストリングスも入りました。

多くの人の夢がつくった歌ですから、
より多くの人の夢をかなえる歌に、これから育っていくことでしょう。

ちなみに使用した譜面も向谷倶楽部でもう見ることができますし、
この「シェア」のスピリットは止まりそうにありません。

今後の予定を、向谷さんがサイトに次のように書いています。
「そ6月8日と9日のレコーディング、ダダ漏れを、その日の内になんとかマスタリングを終えたら、出来るだけ速やかにiTunesや僕の携帯サイトから配信しちゃおうかと。

さらにもっと驚くべきコトをやろうと思ってるんですけど、全員のミュージシャンの許諾をほぼ取ったのですが、レコーディングから1〜2週間以内に、その時レコーディングした全てのトラックをセパレートでそのまま配信して、みなさんに自由にリミックス出来るようにしようかと。

つまり、ドラムだけ、ベースだけ、ボーカルだけ・・・っていうのをやります。
そして、今後自分がこういう音楽を作って行く過程でひとつだけお約束することがあります。DRM(コピープロテクト)をかけなくてもいいところは一切かけません。
だから、コピーの制限はありませんので、みなさんの良心にかけます」

まだまだ広がっていく、このプロジェクト。
これからも、楽しそうで、目が離せそうにありません。


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DSC02785.JPG向谷実さんはteitterを「宝の山」という。今日はTL上の2000余人もふくめ、皆で作る「夢のレコーディング」。しかも、Ustreemで「すべて見せます」というレボリューショナルな企画!

DSC02766.JPG中西圭三さんが、坂本美雨さんとコーラスの打ち合わせ

IMG_0413.JPGBSフジがUstreemの大撮影にあたった。iPadを使うTVディレクター氏を見るのも、初めて!

DSC02778.JPG神保彰さん(ds)とも、お久しぶり!

DSC02781.JPG向谷さんは副調室に置かれたキーボード前が定位置で、ここで演奏し、指令を出し、ジョークを連発

DSC02780.JPGすべてを見せ、すべて「セーノ」で録音されるから、エンジニア氏の緊張感はいかばかりか。

1tj40u.jpgジャケットも公募→投票で決定する流れ☆ イオタさんの作品に決定。

IMG_0421.JPG2人の作詞家が生まれた日にもなった。2曲目にレコーディングされた〈21センチュリー・ラヴ・エクスプレス〉に、公募し作詞を採用された(手前)、こばやしちさとさん。夢のある、すてきな歌詞です。

IMG_0419.JPG中西圭三さんの歌声は、甘くてパワフル。でもお疲れには、その夜流行のレッドブルを。