Music Diary
[ 2008.12.26 ]
クリスマス・アルバムが豊作Vol.3 エンヤ
今年最後のダイアリーは、エンヤです。冬になると、エンヤの音楽をよく聴くような気がするんですが、リリース時期のせいだけでしょうか。
6作目になる新作『雪と氷の旋律』は、はっきり「冬」という季節が歌われています。というより、クリスマス・ソングも入れて、冬という季節をことほぐために作られたのです。
エンヤ自身も、言っています。
「わたしは冬が好き。なぜ曲を書くのかとか、いろいろなことを考えるのに適した季節だから」
そう、エンヤは冬をポジティヴな季節だととらえているんです。
『雪と氷の旋律』の内容ですが、先ほど言ったように、ゲール語で歌った〈サイレント・ナイト〉など、クリスマス・キャロルも入っているんですが、オリジナル曲も多く収録されています。
〈ウィンター・レイン〉では、新しい街へ行く不安と家に帰る安堵感を歌い、〈スターズ・アンド・ミッドナイト・ブルー〉では、死をもってしても消えることのない愛を歌っています。
今作は色でいえば「純白」ですね。清く、正しく、美しい。
ジャケットが、そのイメージを具現化しています。
近作のなかでは明るく、陰影が少ないせいか、少々ディープさに欠ける気がするのですが、こんなご時世ですからね。ディープな話は、たくさん、という気もします。
去年でしたか、前にも書いたことがあるんですが、エンヤの音楽には浄化作用があるので、心を洗う「除夜の鐘効果」があります。
それを見込んだのでしょうか!?NHKが誇る「国民的番組」にもそれを認められ、大晦日の紅白歌合戦に出場することが決まったそうです。
どんな登場になるのでしょうか。
エンヤの音楽に冬のイメージがあるのは、サウンドの透明度が高いから。そして適度な張りつめ感が、サウンドにあるからだと思います。
彼女自身の声とサウンドを、2台の144チャンネル・デジタル・マルチ・トラッカーを使い、幾重にも重ねてレコーディングする。その手法は、1986年のデビュー時から変わっていないそうです。
多重録音で、シンセサイザーが多用されていると、厚いサウンドになりがちなのですが、彼女のサウンドは決して厚くなることなく、澄んだ印象を聴き手に与え、心まで澄ましてしまうんです。それが、エンヤの魔法です。
レコーディングの仕方も、一風変わっていて、これも以前書いたのですが、あまりに面白いから再登場させますね。
プロデューサーのニッキー・ライアンと、その妻であるローマ・ライアンの3人で、アルバムを作るんですって。スタジオに数ヶ月こもって!
3人よ、3人。すごいですよね。
え?ピアノ・トリオも3人だ? それはまた、ちがう話ですって。
エンヤの音楽の最大の魅力は、先ほど書いた透明感あふれるサウンド、ということになっていますが、わたしは何年もかけてスタジオ作業を続ける、エンヤの職人的生真面目さに、むしろ感動してしまいますね。
彼女はまた気さくな人でもあって、世界的な名声を得た今も、母国アイルランドのダブリンを離れることなく、古城を改築して住んでいる。
で、町で行き交う人に気軽に声をかけられる存在で、ダブリンでは「隣のお姉さん」としての人望もある。これは、彼女ほどの有名人にとって、宝物のような状況ですね。
もし、ロンドンに移り住んでいたら、エンヤの徹底した職人気質と、爽やかな人柄方生まれるサウンドの透明度が保たれなかったと思うのです。
ね、音楽も、どんな芸術も、基本は毎日の生活です。エンヤはそこを大切にしている人、という気がしますもの。
あなたも、どうかお大切に。楽しい年末をお過ごしください。
今年も一年、読んでいただき、聴いていただき、しかも!今年は「ジャズに生きた女たち」の本やCDも買っていただいたりと、たいへんお世話になりました。ほんとうに、ありがとうございました。
あなたの、素晴らしい2009年をお祈りしています。どうかよいお年を、お迎えください~☆
ありがとうございました。









